2026年8月
ブレット・ゴールドスタイン,
CFA
ヘッド・オブ・マルチアセット
トーマス・ネルソン,
CFA, CAIA
ヘッド・オブ・マーケット・ストラテジー
マイルズ・サンプソン,
CFA
ヘッド・オブ・アセット・アロケーション・リサーチ
概要
当社は、8月に入り、地政学的緊張の再燃やインフレ懸念が見られるものの、力強い企業業績に注目し、株式に対する前向きな見方を維持しています。
また、足元の株式市場のボラティリティ上昇によってテクノロジー銘柄のバリュエーションが調整され、過熱気味であったセンチメントやポジショニングの指標も落ち着きを取り戻しています。
追加利上げが景気を下押しする可能性はあるものの、マクロ経済環境全体については概ね中立と見ています。マクロ環境だけで当社の株式に対する前向きな見方を裏付けるには不十分ですが、重要なのは、非常に力強い企業ファンダメンタルズが示唆する説得力のある「リスクオン」の根拠を損なう材料にもなっていないという点です。
当社のポートフォリオでは、引き続き人工知能(AI)関連への配分を重視しており、米国、日本、新興国(EM)株式をオーバーウェイトとしています。一方、AIやテクノロジーへのエクスポージャーが低い市場、特にエネルギー価格やコモディティ価格の影響を受けやすい市場については、総じて慎重にみています。
デュレーションについては、引き続き米国外に相対的な投資妙味があると考えています。米国外ではマクロ経済見通しがより弱いため、こうした地域で市場が織り込む利上げ期待は楽観的すぎる可能性が高いとみています。
マクロテーマ
堅調な経済成長
- マクロ経済の成長は引き続き堅調で、力強い企業の収益力に支えられています。
- 米国経済は特に底堅さを示しており、労働市場のデータも安定しています。
- 景気先行指標は良好ですが、投入コスト上昇の影響を注視しています。
複雑なインフレ環境
- コア・インフレ率は依然として高水準にあり、米国のインフレ動向にとって引き続き課題となっていますが、足元のデータには改善もみられます。
- 供給要因によるインフレは実質所得を押し下げ、個人消費を抑制するとみていることから、エネルギー価格上昇による二次的影響は限定的にとどまると考えています。
- コア財インフレも現在、トレンドを上回る水準にあります。関税による圧力は弱まった可能性がありますが、世界的なサプライチェーンの逼迫を注視しています。
金融政策の引き締まり
- 中東情勢の緊張の高まりを受けて政策見通しの見直しが進み、米国を含むすべての主要地域で引き締めバイアスが強まっています。
- ウォーシュFRB議長の新たな政策アプローチがさらなる不確実性をもたらしています。当社では、最終的にFRBは金融政策を引き締める必要があると考えています。
- 財政政策は経済成長を支える一方で、財政赤字の拡大にもつながっています。国防支出やエネルギー支援策も重要な影響を及ぼす可能性があります。
ポートフォリオ構築における主要テーマ
クロスアセット:リスクオン
- 今後12カ月の企業利益は二桁成長が見込まれており、企業ファンダメンタルズは堅調を維持しています。
- マクロ経済の成長環境は引き続き良好ですが、より厳しいインフレ環境と政策環境がそのプラス効果を相殺しています。
- センチメントとポジショニングの過熱感は後退し、株式の支援材料となっていますが、AIなど一部の限られた分野では依然として変動が大きくなっています。
株式エクスポージャーの分散
- 当社の株式エクスポージャーはAI関連に重点を置いており、米国、新興国、日本をオーバーウェイトとしています。ポジショニングの過熱感も和らぎ、今後を見据えた投資環境はより良好になっています。
- ユーロ圏の成長指標は改善していますが、エネルギー価格への感応度が高いことから、欧州株式に対する楽観姿勢は抑制されています。
- オーストラリア株式は、国内経済の低迷に加え、財政・金融政策による下支えが乏しく、引き続き最も選好度の低い地域です。
デュレーションは中立
- 需要の減退が、市場が織り込んでいる以上に金融政策判断へ影響を与えると考えており、米国外の中央銀行が市場の利上げ期待どおりに政策を進める可能性は低いとみています。
- 米国では、底堅い成長と高水準のインフレがFRBの政策運営を複雑にしています。利回りの上昇を受けて米国債に対する見方を引き上げましたが、相対的には引き続き米国外のデュレーションを選好しています。
- 力強い企業業績とタイトなスプレッドを背景に、株式の超過リターンはクレジットより魅力的と考えています。
リスクについて
すべての投資には、元本割れの可能性を含むリスクが伴います。
株式は価格変動の影響を受け、投資元本を割り込むことがあります。大型株は、市場環境や経済状況により投資家の選好から外れる可能性があります。中小型株は大型株に比べて、より大きなリスクを伴い、ボラティリティがより高くなる傾向があります。
債券には金利リスク、クレジットリスク、インフレリスク、再投資リスクがあり、投資元本を割り込むことがあります。金利が上昇すると、債券の価値は下落します。低格付けのハイイールド債は、価格の変動が大きく、流動性が低く、デフォルトのリスクが高くなります。
異なる戦略、資産クラス、投資対象間で資産を配分しても、有益であるとは限らず、期待した結果が得られない可能性があります。ある戦略が特定の国や地域の企業に投資する限りにおいて、地理的に広く分散された戦略に比べて、ボラティリティが高くなる可能性があります。
コモディティ関連の投資は、コモディティ指数の変動、投機的取引、金利動向、天候、税制および規制変更などのさらなるリスクが伴います。
国際投資は、為替変動や社会的、経済的、政治的な不確実性を含む様々なリスクの対象となり、ボラティリティを高める可能性があります。これらのリスクは新興国市場では一層大きくなります。中国への投資は、政府による経済への関与が依然として大きいため、他の多くの国と比べてより大きな規制リスクにさらされると予想されます。
上場企業への投資とは対照的に、非上場企業への投資は、企業に関する情報開示が限られており、流動性も低いため、上場企業への投資に比べてリスクが高くなります。
アクティブ運用は、利益の獲得や市場下落からの保護を保証するものではありません。分散投資は利益を保証するものでも、損失を防ぐものでもありません。
重要事項
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