経済指標の堅調を受け、RBAは利下げを見送り
豪州準備銀行(RBA)は2月4日、大方の市場予想通り政策金利を0.75%で据え置く決定を下しました(図1)。
豪州の2019年10-12月期の消費者物価統計や2019年12月の雇用統計が市場予想を上回る結果となったことを受けて、足元の市場コンセンサスはRBAの利下げ見送り観測が急速に優勢となっていました。
RBAは政策金利がすでに低水準にあり、金融緩和効果の波及には時間差が伴うことから、様子見のため政策の据え置きを決めたことを示唆しています。
RBAは2021年に向けた景気回復見通しを維持
RBAの声明文では、「短期的には森林火災とコロナウイルスの感染拡大が一時的な経済成長の重石となる」との見方が示されながらも、「中心シナリオでは豪州経済は2020年に2.75%近辺、2021年に3%の成長が予想される」と前向きな景気回復見通しが維持されました。
労働市場に関しては、2019年12月に5.1%へ低下した失業率(図2)は、当面は現状水準近辺での推移が見込まれ、2021年には5%を下回る水準へ緩やかな低下が予想されるとの見通しが示されました。
市場では4月理事会での利下げの見方が大勢
RBAは先行きの金融政策に関して、労働市場を含む経済動向を慎重に監視し、「必要があれば追加緩和の用意がある」と追加利下げの可能性にも含みを残しています。
現在の市場コンセンサスでは、次のRBAの利下げタイミングは4月7日の理事会との見方が大勢です。足元で拡大する森林火災や新型ウイルスの悪影響が2020年1-3月期の豪州景気にどの程度及ぶかが、次のRBAの金融政策決定の焦点になると見込まれます。
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