RBAは緊急利下げと量的緩和策の導入を決定

豪州準備銀行(RBA)は3月19日の臨時会合において、新型ウイルス対策の金融緩和策を公表しました。RBAの緩和策の要点は以下の3つに集約されます(図1)。

第一に、RBAは政策金利を史上最低の0.25%へ引き下げると同時に、長期にわたる政策金利の据え置きを示唆するフォワード・ガイダンスを公表しました。

第二に、RBAは豪州国債買い入れによる量的緩和策を開始します。足元で投資家による現金確保の動きが加速し、国債利回りの上昇が問題となる中、RBAは豪3年国債利回りを0.25%近辺の水準へ誘導するイールドカーブ・コントロール策を明らかにしました(図2)。

フィリップ・ロウRBA総裁は会見で、足元での豪10年国債利回りの急上昇に関して、イールドカーブ全体にわたる国債買い入れによって国債市場全体が落ち着くには一定の時間がかかるとの見方を示しました。また、ロウ総裁は、為替市場で流動性の懸念が生まれれば、豪ドル相場への為替介入の用意があるとの踏み込んだ発言もしています。

豪州政府と金融当局が協調して貸出支援に動く

第三に、RBAは900億豪ドル規模の中小企業への貸出支援策を公表しました。同時に、豪州政府が小規模銀行やノンバンクに対する150億豪ドルの貸出支援策を明らかにしており、RBAと豪州政府の貸出支援策の総額は1,050億豪ドル(GDP比5.3%、約7兆円*)にのぼります。

加えて、豪金融監督庁(APRA)も、貸出拡大を促すため、大手銀行に求める自己資本規制を新型ウイルスの影響が続く間は一時的に緩和する方針を示しました。

新型ウイルスが経済・金融市場に与える影響への懸念が増す中、豪州政府と金融当局(RBA、APRA)が協調して景気支援に動く姿勢が強まっていると言えそうです。

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