豪州政府は新たな賃金補助金政策を公表
豪州のモリソン政権は3月30日、新たな財政刺激策として雇用維持のための賃金補助金政策を公表しました。
今回の政策は、コロナ危機により売上高急減に直面した豪州企業の労働者(推定約600万人)に対して、豪州政府が2週間毎に一人当たり1,500豪ドル(約10万円)の補助金を支払うものです(期間は最大6ヵ月、図1)。
賃金補助金政策の支出規模は1,300億豪ドル
賃金補助金政策の総支出額は1,300億豪ドル(約8.5兆円)と豪州のGDP比6.5%に相当し、モリソン政権がこれまで公表してきた財政刺激策の第一弾(176億豪ドル)や第二弾(661億豪ドル)を大きく上回る規模です。
これにより、豪州政府部門全体の新型コロナウイルス対策の支出額は3,324億豪ドル(GDP比16.7%、約21.6兆円)に達しています(次頁図3)。
新型ウイルスの感染拡大ペースが鈍化する兆しも
また、豪州政府が人の移動や集会を制限する経済封鎖策を進める中、足元では豪州での新型コロナウイルスの感染拡大ペースが鈍化する兆しも見えつつあります。人口が集積するNSW州やビクトリア州では、3月28日以降、新規感染者数の増加がピークアウトし、累積感染者の増加率も一桁台へ鈍化する傾向にあります(図2)。
3月30日の豪株式市場は、賃金補助金政策やウイルス感染ペース鈍化などを好感し、S&P/ASX200指数が前週末比+7.0%となるなど1980年10月以来の大幅上昇となりました。今後、新型ウイルス問題が徐々に終息に向かう中で、大規模な財政刺激策が豪州景気の回復を後押しする要因として期待されそうです。(*)レター中の為替換算レート:1豪ドル=65円
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