豪州政府は景気回復を後押しする政策に注力
世界では新型コロナウイルスの感染第二波への懸念が浮上する中、豪州では安定した新規感染者数の抑制傾向が続き、コロナ問題の早期終息と7月からの本格的な経済活動再開が視野に入り始めています(次頁図3)。
こうした中、豪州政府のコロナ対応の景気対策の主眼は、労働者や中小企業への資金支援策から、今後の景気回復を後押しする政策にシフトしつつあります。
豪州政府はインフラ計画の早期着工を推進へ
実際、6月に入って以降、豪州政府は相次いでインフラ開発や住宅建設への支援策を打ち出してきました(図1)。
まず、インフラ開発の面では、豪州政府は6月1日にシドニー中心部と西シドニー空港(2026年開港予定)を結ぶ鉄道建設にNSW州政府と共同で35億豪ドルを拠出する計画を明らかにしました。さらに、豪州政府は6月15日にも、早期で着工可能なインフラ計画に15億豪ドルを追加拠出する計画を公表し、総額720億豪ドル規模の大型プロジェクト15件を前倒しで承認する方針を示しています。
豪州政府は住宅建設活性化のため補助金を支給
一方、住宅建設支援策の面では、豪州政府は6月4日に新築住宅購入者に対する補助金政策を公表しました。
新規の住宅建設または大規模リフォームに対して、連邦政府が25,000豪ドル(約188万円)の補助金を支給するものです。加えて、州政府による初回住宅購入者向け補助金を上乗せすると、州によっては最大55,000豪ドル(約413万円)の補助金受給が可能とされています(図2)。
補助金受給には「契約日から3ヵ月以内の着工開始」が条件とされており、2020年後半には住宅建設の活性化が豪州景気回復の追い風となりそうです。
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