豪州は2020年7-9月期に景気後退から脱する
豪州の2020年7-9月期の実質GDPは前期比+3.3%のプラス成長に転じ、市場予想(前期比+2.5%)も上回る結果となりました。これで豪州は2020年上半期の景気後退(2四半期連続のマイナス成長)からの脱出を果たしました。
個人消費が7-9月期の実質GDPを大きくけん引
7-9月期の豪州の実質GDP成長率を主にけん引したのは個人消費でした。7-9月期は個人消費が前期比7.9%伸び、実質GDPの回復に大きく寄与しました(図1)。
個人の所得環境を見てみると、豪州政府の所得支援策の効果もあり、家計部門の可処分所得は4-6月期から7-9月期にかけても底堅い伸びを維持しています(図2)。
4-6月期には豪州全体での都市封鎖の影響から個人の買い控えが発生し、家計貯蓄率は22.1%まで急上昇したものの、7-9月期にはビクトリア州を除いた地域で都市封鎖の緩和が進み、個人消費が回復に転じました。
もっとも、家計貯蓄率は依然として18.9%という高水準にあることや、ビクトリア州の都市封鎖措置が9月中旬から緩和に向かったことから、豪州の個人消費には消費者心理改善による伸びしろが残されていると言えそうです。
コロナ終息後の豪州経済の正常化の行方に注目
7-9月期の個人消費の内訳からは、都市封鎖で抑制されてきた宿泊・外食や衣類、自動車、娯楽等の消費が伸び、消費行動の正常化の兆しが示されました(次頁図3)。
また、豪州の2020年1-9月期累計の実質GDPは前年比-2.9%と、主要先進国の中ではコロナ危機後の経済の落ち込みが最も軽微に留まっています(次頁図4)。今後は主要先進国の中で、豪州がコロナ終息後の経済正常化を主導するかに市場の注目が集まりそうです。
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