豪州準備銀行は量的緩和策の延長を決定
豪州準備銀行(RBA)は2月2日、政策金利と豪3年国債利回りの誘導目標の据え置きを決定を下しました(図1)。
また、RBAは4月中旬に現行の国債買い入れプログラム(総額1,000億豪ドル)が終了した後も、追加で1,000億豪ドル相当の国債および州政府債を購入する方針を示しました。RBAが量的緩和策の延長措置を決定したことで、早期のテーパリング(量的緩和縮小)の可能性が後退し、今後の豪州国債市場の安定に繋がると期待されます。
豪3年国債利回りはRBAのイールドカーブ・コントロール(流通市場での国債買い入れを通じて利回りを低く誘導)により低水準での推移が続く一方、米金利上昇の影響から中長期の国債利回りは切り上がる傾向にあります。
豪州のGDPは年央までにコロナ前の水準を回復へ
今回のRBA理事会の声明文で示された景気見通しは、足元までの豪州景気の底堅い回復が今後も継続する見込みというものでした。具体的には、RBAの中心シナリオでは2021年から2022年にかけて豪州の実質GDPは年率3.5%のペースで成長すると予想されています。この見通しの下では、2021年央までにGDPの水準がコロナ前の2019年末の水準を取り戻すと見込まれています。
今後は豪州景気の回復の持続性が焦点に
また、足元の豪州景気の中でも、積極的な財政・金融緩和策の効果から住宅市場の回復が顕著となっています。
豪州の住宅ローンの新規貸出額は居住目的の実需主導で2020年12月には統計開始来の最高額を更新しました(図2)。今後は豪州政府によるコロナ対応の財政支援策が徐々に縮小に向かう中、豪州景気が自律的な回復基調を維持できるかに焦点が集まりそうです。
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