ブラジル中銀は利下げ局面の終了を示唆
ブラジル中銀は2月5日の金融政策委員会(COPOM)において、政策金利を4.50%から4.25%へ0.25%引き下げる決定を全会一致で下しました(図1)。
今回のCOPOMの声明文では、「委員会は金融緩和プロセスを中断することが適切と判断している」と述べられ、2019年7月からの利下げ局面の終了が示唆されました。
ブラジル中銀集計の市場コンセンサスでは、2020年内は政策金利は4.25%で据え置きの予想が大勢です。その後、市場の予想では2021年にはブラジル中銀が修正利上げに転じるとみられています。
利下げ効果は20年のブラジル景気を押し上げへ
ブラジル中銀の利下げ局面の終了は、2020年のブラジル経済にとって二つの意味があると考えられます。
第一に、2019年7月以降の累計2.25%の利下げ効果は時間差を伴って2020年のブラジル景気の押し上げ要因になると見込まれます。すでに2019年12月末時点のブラジルの民間銀行セクターの貸出残高の伸び率は、前年比+15.7%と2011年以来の高水準にあります(図2)。
直近の市場コンセンサスでは、ブラジルの実質GDP成長率は2019年予想の+1.15%から2020年予想では+2.30%へ回復が見込まれています。
利下げ一巡により今後はレアル安圧力が緩和へ
第二に、ブラジル中銀の利下げが一巡することで、レアル相場にとっては金利差の面からのレアル安圧力が緩和に向かうと考えられます。これにより、2020年のレアル相場の注目は、ブラジル経済のファンダメンタルズの改善に向かいやすくなるとみられます。
また、2020年2月からはブラジル議会が始動しており、税制改革や行財政改革、民営化などの構造改革の進展も引き続き市場の注目材料になりそうです。
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