ブラジルの政治危機が早くも終息する兆し
マンデッタ保健相、モロ法相という重要閣僚の相次ぐ政権離脱を受けて、一時はボルソナロ大統領の求心力低下への懸念が高まったものの、早くもブラジルの政治危機は終息に向かう兆しが見えつつあります。
大統領はゲデス経済相への全面支持の方針示す
金融市場ではゲデス経済相の辞任リスクに対する警戒姿勢が強まりつつありました。重要閣僚の相次ぐ辞任による連想が働いたことや、コロナ危機対応の経済政策を巡って政権内の対立問題が浮上したことが背景です。
政権内の対立の原因は、民間経済の活性化と財政規律を重視するゲデス経済相に対して、大統領府や地域開発相などが公共投資主導の景気支援策(通称「ブラジル版マーシャル・プラン」)を提唱し始めたことにあります。
もっとも、ボルソナロ大統領は4月27日に主要経済閣僚との会談の後、「ブラジル経済についての政策決定を行うのはゲデス経済相ただ一人である」と述べ、ゲデス経済相を全面的に支持する方針を改めて示しました(図1)。
ボルソナロ大統領は政権内でブラジル版マーシャル・プランの計画凍結を指示したとされており、ゲデス経済相の辞任リスクは大きく後退したと言えそうです。
議会との関係改善から大統領弾劾リスクは後退
また、政治家の汚職を追及してきたモロ法相が政権を離脱したことで、足元ではボルソナロ政権と議会の関係改善が進む兆しがみられます。議会では中道政党がボルソナロ政権支持に傾きつつあるほか、マイア下院議長も大統領の弾劾手続きには慎重な姿勢を示したことで、ボルソナロ大統領の弾劾リスクも後退する傾向にあります。
さらに、最新の世論調査では、有権者の約3分の1がボルソナロ大統領を支持していることが示され、ボルソナロ政権の支持基盤は底堅さを維持しているようです(図2)。
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