ブラジル中銀は0.75%の利下げを決定
ブラジル中銀は5月6日の金融政策委員会(COPOM)において、市場予想(0.50%)を上回る0.75%の利下げを決定しました。これにより、ブラジル中銀の政策金利は史上最低の3.00%へ引き下げられました(図1)。
コロナの感染拡大により景気見通しが大きく悪化
ブラジル中銀が積極的な利下げを決定した背景には、ブラジル国内での新型コロナウイルスの感染拡大による景気見通しの悪化があると考えられます。
ブラジル中銀は声明文で、新型コロナウイルスの感染が一段と悪化した場合、経済の需要減少が想定よりも大きく、かつ長期化するリスクに言及しました。ブラジルの2020年の実質GDP成長率の市場予想は、直近4月30日時点では-3.76%へ大きく下方修正が進んでいます(図2)。
ブラジルでの新型コロナウイルスの新規感染者数は足元で再び増加ペースが加速しつつあり、5月6日には累積感染者数は12.6万人に達しました(図3)。引き続き、ブラジル国内での感染の行方には注視が必要とみられます。
ブラジル中銀は次会合での最後の利下げを示唆
さらに、ブラジル中銀は次回6月16-17日のCOPOMにおいて、コロナ危機に対応するための最後の利下げを検討すると述べています。ブラジル中銀は次回会合での利下げ幅は今回より小さくなると言及しているものの、景気見通しが一段と悪化する場合には再び0.75%の大幅な利下げが実施される可能性も残されているとみられます。
また、下院議会では5月6日、財政・金融政策の発動余地を広げるための戦時予算法案が最終承認されました。同法案(憲法改正案)は大統領の署名が不要なため、数日中にも公布される見込みです。ブラジル中銀の利下げ一巡後は、国債および社債の買い入れなど含む量的緩和策導入の行方にも市場の注目が集まりそうです。
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