ブラジル中銀は0.75%の利下げを決定
ブラジル中銀は6月17日の金融政策委員会(COPOM)において、大方の市場予想通り、0.75%の利下げを決定しました。これにより政策金利の水準は史上最低水準を更新し、2.25%へ引き下げられました(図1)。
ブラジル中銀は声明文において、「残された金融緩和の余地は不透明だが小さいだろう」、「現時点で既に実施した金融緩和の規模はコロナ感染拡大による経済的影響と見合っていると判断している」と述べ、利下げ局面が概ね終了しつつあることを示唆しました。直近の市場予想では、ブラジル中銀の政策金利は年末まで2.25%で据え置かれるとの見方が大勢となっています。
コロナ問題を注視しながら慎重な金融政策運営へ
もっとも、ブラジルでの新型コロナウイルス問題は依然として予断を許さない状況にあり、6月17日の新規感染者数は3万2,188人、累積感染者数は95万5,377人へ拡大しました(図2)。コロナ感染と経済動向の変化を注視しながら、今後のブラジル中銀の金融政策運営は慎重な判断が下される可能性が高いとみられます。
低金利によりブラジル株式への投資需要高まる
また、ブラジル中銀による積極的な利下げを受けて、ブラジル国債の低金利化が進みつつあります(6月17日時点の2年国債利回りは3.70%)。
ブラジル国内では、ブラジル中銀の金融緩和と低水準の国債利回りが長期化する観測が増す中、高い投資リターンを求めて株式型ファンドへの資金流入が継続する傾向がみられます。2020年1-4月の株式型ファンドへの純資金流入額は年率換算値で1,383億レアル(約2.8兆円*)へ拡大し、債券代替の投資対象としてブラジル株式の投資需要が高まっていることが示されています(図3)。
(*)為替換算レート:1レアル=20円
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