ブラジル中銀は0.25%の利下げを決定

ブラジル中銀は8月6日の金融政策委員会(COPOM)において、大方の市場予想通り、0.25%の利下げを決定しました。これにより政策金利の水準は史上最低水準を更新し、2.00%へ引き下げられました(図1)。

ブラジル中銀は声明文において、「現在の経済環境は力強い金融緩和を必要としているものの、金融安定の観点からは、残された金融緩和の余地は小さい」と述べ、利下げ局面が概ね終了している可能性を示唆しました。

一方、ブラジル中銀は「インフレ期待およびインフレ予想が物価目標に十分に近づくまで、金融緩和を縮小することを予見しない」とも述べ、現状の低金利政策を当面の間継続する方針を示しています。市場コンセンサスでは、ブラジル中銀の政策金利は今後1年間は2.00%で据え置かれるとの見方が大勢となっています。

ブラジルの経済活動は緩やかに再開しつつある

また、足元の経済指標はブラジル景気が2020年4月に底を打ち、緩やかに回復しつつあります(図2)。

2020年6月の鉱工業生産指数は前月比+8.9%となり、2カ月連続の生産活動の回復が示されました。また、ブラジル中銀が公表する経済活動指数(月次実質GDP)も5月に前月比+1.3%と小幅に回復しています。

さらに、アップルが日次で公表するブラジルのモビリティ指数(自動車、公共交通機関、徒歩による移動量を示す指標)は、ブラジルの経済活動の再開が7月以降も緩やかに進展していることを示しています。

ブラジルでは、新型コロナウイルスの新規感染者数は依然高水準にあるものの、コロナ感染からの回復者数も増加傾向にあるなど状況が安定化する兆しもみられます(次頁図3・4)。今後は、感染抑制と経済活動再開の両立を維持できるかが焦点となりそうです。

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