ブラジル中銀は政策金利の据え置きを決定
ブラジル中銀は9月16日の金融政策委員会(COPOM)において、政策金利を2.00%で据え置く決定を下しました(図1)。これにより、2019年7月から始まったブラジル中銀の利下げサイクルが終了した可能性が高まっています。
足元では主に食品価格の上昇によりインフレ圧力が高まっており、2020年8月の拡大消費者物価指数は政策金利を上回る前年比+2.4%へ上昇しています(政策金利からインフレ率を差し引いた実質政策金利はマイナスとなる)。
もっとも、ブラジル中銀のインフレ見通しは2020年末が前年比+2.1%、2021年末が前年比+2.9%と、物価の安定基調が続くと見込まれており、政策金利は当面据え置かれる可能性が高いとみられます。ブラジル中銀集計の市場予想では、政策金利は2021年9月まで現行の2.00%で据え置かれた後、2021年10月以降、緩やかな利上げサイクルへの転換が予想されています。
新型コロナ問題から立ち上がるブラジル経済
足元のブラジル経済は、サンパウロなど主要都市で経済封鎖措置が解除され始めたことで、徐々に経済活動の再開の動きが広がり始めています(次頁図3・4も参照)。
最近の経済指標でも、7月の小売売上高が前月比+5.2%と市場予想(+1.3%)を上回る回復を示したほか、7月の鉱工業生産も前月比+8.0%と市場予想(+5.9%)を上回るなど、ブラジル景気の底堅さが見えつつあります。
また、2020年のブラジルの実質GDP成長率に対する市場予想も、3ヵ月前と比べて見通しの上方修正が進みつつあります(図2)。直近9月11日時点の市場予想では、2020年の実質GDPは5.1%のマイナス成長と予想されており、2021年には3.5%のプラス成長への転換が見込まれています。一時は深刻化した新型コロナウイルスの感染問題からブラジル経済が立ち上がりつつあるようです。
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