ブラジル中銀は政策金利の据え置きを決定

ブラジル中銀は1月20日の金融政策委員会(COPOM)において、政策金利を2.00%で据え置く決定を下しました(図1)。COPOMの声明文では、足元での物価上昇圧力の高まりに対して、「現在の(物価上昇)ショックは一時的との判断を維持している」としながら、今後も物価動向への注視を継続する姿勢が示されました。

中銀は中立的な金融政策運営に戻る方針示す

ブラジル中銀は今回の声明文において、2020年8月のCOPOMで表明したフォワード・ガイダンス(特定の条件が満たされる限り金融緩和を縮小する意図はないとの方針)を取り下げました。ブラジル中銀のインフレ予想は徐々に切り上がっており、2021年末の予想値は前年比+3.6%と2021年のインフレ・ターゲットである2.25~5.25%(中心値=3.75%)と概ね同等の水準にあるためです(図1)。

ブラジル中銀がコロナ禍の金融緩和姿勢を修正し、より中立的な通常の金融政策運営に戻る方針を示したことは、将来的な利上げへの地ならしとも捉えることができます。直近の市場予想では、ブラジル中銀の政策金利は2021年8月から利上げ基調に転換すると見込まれています。

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