米国政府の景気刺激策に一喜一憂する米国株
先週の米国株式市場は、新型コロナウイルスの欧州や米国での感染拡大が続く中、米国政府による景気刺激策に一喜一憂する変動が激しい展開となりました(図1)。
週明けの3月9日には、原油の協調減産継続を巡ってサウジアラビアとロシアが決裂したことで原油価格が急落し、米国株は軟調なスタートとなりました。その後は、3月9日にトランプ大統領が給与税免除を含む景気刺激策を示唆したことをきっかけに、米国株式市場では米国政府の政策対応の行方に焦点がシフトしました。
3月13日にはトランプ大統領が新型ウイルス感染拡大による非常事態を宣言したことから、S&P500指数は前日比+9.3%の大幅上昇となりました。非常事態宣言により米国政府は議会承認を経ずに最大500億米ドルの資金活用が可能になることが、市場心理改善に繋がった模様です。
FRBの緊急利下げでも米国株先物は軟調な反応
また、米連邦準備制度理事会(FRB)は3月15日に緊急の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、1.0%の大幅利下げと量的緩和の再開を決定しました。
3月3日の緊急利下げ時と同様に、今回のFRBの政策に対する市場の反応は冷ややかであり、3月16日の米国株先物は軟調な展開となっています。
新型ウイルスの感染拡大による世界的な景気減速懸念に対しては、世界各国の政府・当局は金融政策と財政政策を総動員した政策対応を打ち出す方針を示しています。
米国でも、3月13日には米政府と野党・民主党が数十億米ドル規模の景気対策で合意するなど、財政政策の面で進展の兆しはみられます。今後、市場の不安心理が解消に向かうには、各国の金融・財政政策の協調に対する市場の信認が回復に向かうかが鍵となりそうです。
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