FOMCは年内3回の利下げ見通しを維持
米連邦準備制度理事会(FRB)は3月20日の連邦公開市場委員会(FOMC)において、政策金利を5.25~5.50%で据え置く決定を下しました。FOMC後に公表された金利見通しによれば、引き続き年内3回の利下げがFOMC参加者の大勢の見方であることが示されました(図1)。
市場では、1~2月の米国のインフレ指標が上振れたことから、今回のFOMCで先行きの利下げ見通しが後退する可能性を警戒する見方があったものの、結果的にFRBはハト派的な利下げ見通しを維持しました。
もっとも、パウエル議長は記者会見において、2%の物価目標に向けたインフレ低下に確信が持てるまでは利下げを急がず、足元で下げ渋るインフレの動向を注視しながら慎重に利下げの決断を行う姿勢を示しています(図4)。
FRBは米国景気の軟着陸への自信を深める
また、FOMCが公表した経済見通しでは、2024年から2026年に向けた米国の実質GDP成長率予想が上方修正され、FRBが米国景気の軟着陸への自信を深めていることが示唆されました(図5)。
FOMCの政策決定を受けた3月20日の米国株式市場では、FRBのハト派的な利下げ見通しの維持と米国景気の軟着陸期待を背景に、主要株価指数のS&P500指数は史上最高値を更新しました。今回、FOMCという重要イベントを無難に通過したことで、改めて今後の市場の焦点は米国企業の利益回復の行方(特に利益見通しの改善によって株高が正当化されるか)に向かいそうです(図2)。
日米金融政策の決定後も円安圧力は持続
また、為替市場では、3月19日の日銀によるマイナス金利政策の解除と20日のFOMCの政策決定を受けても円安圧力は後退せず、米ドル円相場は1米ドル=151円台まで円安・米ドル高が進行しました(図3)。
今後の日米金融政策の方向性は「日本=利上げ」、「米国=利下げ」という流れにあるものの、日銀もFRBも先行きの政策判断は慎重に行うとみられることから、市場では円安定着の観測が強まりつつあります。一方、一段の円安進行には政府・日銀の為替介入への警戒感が残り、当面の米ドル円相場は膠着状態が続く可能性がありそうです。
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