お伝えしたいポイント

  • 主要国の政策金利の引き上げにより、債券投資の機会は世界に広がる。中でも、豪州の10年債利回りは米国と並ぶ高水準にあり、日本との金利差の面で豪州債券の投資魅力が高まりつつある。
  • 豪州は主要国の中でも底堅い景気回復を維持しており、景気後退リスクの市場予想は限定的。2023年の不透明な市場環境の中、安定したインカム収益が期待される豪州債券は長期投資の対象として見直される可能性。

主要国の政策金利の引き上げによって、債券投資の機会が世界に広がる

2022年は米国を筆頭に多くの国で政策金利の引き上げが行われました(図1)。世界的な利上げと債券利回りの上昇を受けて、米国以外の国にも債券投資の機会が広がっています。特に豪州の10年国債利回りは米国と並ぶ高水準にあり、日本との金利差の面で豪州債券の投資魅力が高まりつつあります(図2)。

豪州10年国債利回りに安定化の兆し、海外投資家の豪州債への見直しが進む

2022年5月に始まった豪州の利上げ局面は終盤に差し掛かっており、先行きの利上げを織り込み上昇してきた豪州10年国債利回りにも安定化の兆しがみられます(図3)。利回りの上昇を受けて、2022年には海外から豪州への債券投資が流入傾向に転じるなど、海外投資家の豪州債券への見直しが進みつつあります(図4)。

主要国の中で豪州の景気回復が先行する傾向

豪州の2022年10-12月期の実質GDPは前期比+0.5%とプラス成長を維持し、主要国の中でも豪州の景気回復が先行する傾向にあります(図5)。欧米諸国では先行きの景気後退リスクへの懸念が根強い一方、豪州の景気後退確率の市場予想は安定した内需を背景に35%と限定的に留まっています(図6)。

長期のインカム収益の積み上げが豪州債券の安定したリターンに寄与

ここで豪州債券のトータル・リターンの要因分解を見ると、安定した債券の利息収入から得られるインカム・リターンの積み上げが長期的にトータル・リターンの押し上げに寄与してきたことが分かります(図7)。

世界的な金融不安や景気後退への懸念が残る2023年の市場環境においては、豪州債券は相対的に高い利回りによって今後も安定したインカム収益の獲得が期待され、長期投資の対象として見直される余地がありそうです。

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