本号では

経済は建設的な成長見通しとなっている一方、グローバル株式市場のバリュエーションは引き続き割高な水準にあるとみています。ディスインフレが上下しながらも継続していることは、今はポートフォリオで積極的なポジションを取るタイミングではないことを示唆しています。グローバル株式はグローバル債券よりも高いパフォーマンスを上げる可能性があるとみていますが、資産配分は6月にシフトした中立スタンスを維持しています。

また、各国の金融政策は引き続き分岐しており、これを踏まえて高格付け債券を選好しています。欧州国債は引き続き魅力的であり、緩和サイクル開始の恩恵を受ける可能性が高いと予想しています。

当社の見解を後押しするマクロ・テーマ

建設的な経済成長

  • 景気先行指標は世界的な経済成長の継続を示唆しています。
  • 景気後退リスクは、一部先進国では過去のものとなっており、特に米国において低くなっています。
  • 景気は安定しつつあるものの、成長率は依然として長期トレンドを下回っています。

インフレリスクがさらに均衡

  • インフレは上下しながらもディスインフレに向け大きく進展しましたが、中央銀行の目標水準を依然上回っています。
  • サービスインフレは高止まりしていますが、労働市場のひっ迫により比較的緩やかに減速していくと予想されます。
  • コア財のインフレ率はすでに正常化していますが、コモディティ価格の上昇がこれを相殺する可能性があります。

政策サイクルに乖離

  • より多くの中央銀行が近く利下げを開始する可能性が高いものの、その結果は各国間でより大きな差が出る可能性が高いでしょう。
  • インフレの進展により、政策当局は経済成長とインフレの2つの目標のバランスをとる余地が生じています。
  • 中央銀行は慎重な姿勢を崩しておらず、経済データでディスインフレの確証を得た後に、次の政策措置を取るものと思われます。

ポートフォリオのポジショニング・テーマ

資産間でリスクバランスをとる

  • 建設的なマクロ環境は、一般的に堅調なマーケットにつながるため、リスク資産にベンチマーク比で高めの配分が正当化されるでしょう。
  • しかし、これらのリスク資産は割高感が依然として高く、特に株式市場におけるセンチメントが過度に楽観的であると感じています。
  • 政策変更が予想外の経済成長とインフレを相殺する可能性がありますが、全体でみるポリシーミックスはよりバランスのとれたものとなっています。

変容する株式市場

  • 米国と日本の株式市場はグローバル経済の改善に連動しているものの、当社の確信は低下しました。
  • 対照的に、業績が圧迫され始めている英国株とバリュエーションの面で魅力に劣る太平洋地域の株(日本を除く)に対する警戒感が楽観的なムードを抑制しています。
  • 中国株式市場は引き続きボラティリティが最も高い市場となっていますが、他の市場よりも政策が市場を支えています。。

魅力的な債券利回り

  • ここ最近の利回りの低下により、国債のリターンの可能性は低下したため、当社は国債における長期債の選好の度合いを引き下げました。
  • 欧米諸国の緩和サイクルは年内に始まる可能性が高く、当社はマーケットの期待は妥当であると見ています。
  • 経済成長の持続に支えられ、ハイ・イールド債等リスクのより高い資産に対する楽観が高まっています。
  • 高水準の実質利回りにはバリューがあるとみていますが、ボラティリティが継続するリスクはあります。

詳細は、レポート「アロケーション・ビュー:資産間でリスクバランスをとる」をご覧ください

リスクについて

すべての投資には、元本を割り込む可能性を含むリスクが伴います。

株式は価格変動の影響を受け、投資元本を割りこむことがあります。

債券には金利リスク、信用リスク、インフレリスク、再投資リスクがあり、投資元本を割り込むことがあります。金利が上昇すると、債券の価値は下落します。債券格付けや債券発行体、保険者、保証人の信用格付け及び財務内容に変動があった場合、その債券の価値に影響を及ぼす可能性があります。低格付けのハイイールド債は、価格の変動が大きく、流動性が低く、デフォルトの可能性が高くなります。

異なる戦略、資産クラス、投資対象間で資産を配分しても、有益でない、または望ましい結果が得られない可能性があります。

ある戦略が特定の国や地域の企業に投資する限りにおいて、地理的により広範に分散された戦略よりもボラティリティが高くなる可能性があります。

コモディティ関連の投資は、コモディティ指数のボラティリティ、投資家の投機、金利、天候、税金、規制の動向などのさらなるリスクが伴います。

グローバル投資は、為替変動や社会的、経済的、政治的な不確実性を含む様々なリスクの対象となり、ボラティリティを高める可能性があります。これらのリスクは新興市場ではより大きくなります。

中国への投資は、他の多くの国に比べ、政府の経済への関与が依然高いため、より大きな規制リスクにさらされることになります。

上場企業への投資とは対照的に、非上場企業への投資は、企業に関する情報入手が困難、または一般的な流動性が欠如するなど、一定の課題がありリスクも増加します。

アクティブ運用は、利益の保証または市場の下落からの保護を保証するものではありません。分散投資は利益を保証するものでも、損失を防ぐものでもありません。

重要事項

当資料は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、個別の投資助言または証券の売買、保有、または投資戦略の採用に関する推奨や勧誘を行うものではありません。また法律上、税務上の助言を行うものではありません。当資料は、フランクリン・テンプルトンの事前の書面による承諾なしの無断複写、転載、発行は禁じられています。

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