要旨

8月初旬の健全な株価調整により、市場心理と投資家のポジションはより中立的な水準にリセットされ、株式市場は安定しました。しかしながら、米国の大統領選に関連する潜在的なボラティリティと季節要因への懸念が、当社の楽観的な見方を和らげ、リスク資産に中立配分するスタンスに影響しました。 景気サイクルの進展に伴うセクター・ローテーションは潜在的な投資機会をもたらしているものの、不透明な環境を考慮すると、株式のリスクプレミアムは依然低いとみています。一方で、グローバル債券利回りの低下は、リターンが減少する中で、当社の債券ポートフォリオ全体のデュレーションを低下させる要因となっています。こうした背景から、投資の観点からは「現状維持」を選択し、リスクを追加する好機を待ち構えています。

当社の見解を後押しする主なテーマ

経済成長は依然として比較的建設的

  • 景気先行指標は、世界的な経済成長の継続を示唆しています。
  • グローバル経済はサービス業が堅調である一方、製造業は依然として低迷しています。
  • 各地域では労働市場の動向は依然として重要であるため、市場のボラティリティそのものが成長鈍化につながる可能性は低いと思われます。
インフレリスクは以前よりも均衡がとれている
  • インフレは上下しながらもディスインフレに向け大きな進展が見られましたが、中央銀行の目標水準を依然上回っています。
  • 高水準のサービス・インフレは、労働市場とともに正常化しつつあります。
  • コア財のインフレ率はすでに正常化していますが、貨物運賃の上昇がこれを相殺する可能性があります。
政策サイクルの乖離
  • より多くの中央銀行が近く利下げを開始する可能性が高いものの、その結果は各国間でより大きな差が生じる可能性が高いでしょう。
  • インフレの進展により、政策当局は経済成長とインフレの二つの目標のバランスを取る余地が生じています。
  • 各国中銀は依然慎重な姿勢を崩しておらず、経済データでディスインフレの確証を得た後に、次の政策措置を取るものと思われます。

ポートフォリオのポジショニング・テーマ

資産間でリスクバランスをとる

  • 建設的なマクロ環境は、通常堅調なマーケットにつながるため、リスク資産にベンチマーク比で高めの配分を正当化しています。
  • 過度に楽観的な市場心理と投資家のポジションは緩和されましたが、特に季節的な不確実性を考慮すると、株式リスク・プレミアムは依然低い水準にとどまっています。
  • 政策変更が予想外の経済成長とインフレを相殺する可能性がありますが、全体で見るとポリシー・ミックスはよりバランスの取れたものとなっています。
変容する株式市場
  • 米国株式の利益成長は加速しており、株式市場のすそ野の幅も拡大しています。
  • 欧州(英国を除く)株式の成長見通しに対する確信は低下しましたが、英国株式に対する見通しはマクロ環境と共に改善しています。
  • 新興国市場(中国を除く)、とりわけ、半導体需要が堅調な中、アジア諸国を引き続き選好しています。
  • カナダおよび太平洋地域(日本を除く)は、マクロ経済と企業ファンダメンタルズが比較的弱いため、引き続き魅力に劣るとみています。
債券利回りの魅力が低下
  • 利回りの低下により、世界的に国債リターンの可能性が低下したため、当社は国債における長期債選好の度合いをさらに引き下げました。
  • 欧米諸国の緩和サイクルは継続する可能性が高いものの、当社は市場の期待は過度に楽観的な部分もあると考えています。
  • 経済成長の持続に支えられ、ハイイールド社債等のリスクのより高い資産に対する楽観がある程度高まっています。当社は投資適格社債よりもハイイールド社債を選好しています。
  • 高水準の実質利回りにはバリューがあるとみていますが、ボラティリティが継続していることには注意する必要があります。
詳細は、レポート「アロケーション・ビュー:従来のスタンスを継続」をご覧ください。

リスクについて

すべての投資には、元本を割り込む可能性を含むリスクが伴います。

株式は価格変動の影響を受け、投資元本を割りこむことがあります。

債券には金利リスク、信用リスク、インフレリスク、再投資リスクがあり、投資元本を割り込むことがあります。金利が上昇すると、債券の価値は下落します。債券格付けや債券発行体、保険者、保証人の信用格付け及び財務内容に変動があった場合、その債券の価値に影響を及ぼす可能性があります。低格付けのハイイールド債は、価格の変動が大きく、流動性が低く、デフォルトの可能性が高くなります。

異なる戦略、資産クラス、投資対象間で資産を配分しても、有益でない、または望ましい結果が得られない可能性があります。

ある戦略が特定の国や地域の企業に投資する限りにおいて、地理的により広範に分散された戦略よりもボラティリティが高くなる可能性があります。

コモディティ関連の投資は、コモディティ指数のボラティリティ、投資家の投機、金利、天候、税金、規制の動向などのさらなるリスクが伴います。

グローバル投資は、為替変動や社会的、経済的、政治的な不確実性を含む様々なリスクの対象となり、ボラティリティを高める可能性があります。これらのリスクは新興市場ではより大きくなります。

中国への投資は、他の多くの国に比べ、政府の経済への関与が依然高いため、より大きな規制リスクにさらされることになります。

上場企業への投資とは対照的に、非上場企業への投資は、企業に関する情報入手が困難、または一般的な流動性が欠如するなど、一定の課題がありリスクも増加します。

アクティブ運用は、利益の保証または市場の下落からの保護を保証するものではありません。分散投資は利益を保証するものでも、損失を防ぐものでもありません。

 

重要事項

当資料は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、個別の投資助言または証券の売買、保有、または投資戦略の採用に関する推奨や勧誘を行うものではありません。また法律上、税務上の助言を行うものではありません。当資料は、フランクリン・テンプルトンの事前の書面による承諾なしの無断複写、転載、発行は禁じられています。

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