概要

3月は株式市場にとってボラティリティの大きい月となりました。米国の政策発表が最終的に投資家心理の重荷となったためです。成長期待は後退し、特に米国では、関税がインフレに与える影響への懸念が高まりました。加えて、過熱感のあるバリュエーションが不確実性を一段と強めています。

このような状況を踏まえ、世界の経済成長に関する先行指標は底堅さを示しているように見受けられるものの、不確実性がどの程度資産価格に織り込まれているかを検討します。

結論として、現在の市場センチメントや投資家のポジション状況を踏まえると、資産クラス全体ではリスク選好(リスクオン)の姿勢をとることが適切と考えられます。ただし、米国の政策が与える影響を慎重に見極めている段階であるため、地域別の株式配分は中立とします。債券に関しては、米国債のデュレーションは中立を維持しますが、タームプレミアムの上昇を踏まえ、ユーロ圏国債へのオーバーウェイトを縮小します。

主要なマクロテーマと当社の見解

成長は当面プラス基調を維持

  • 先行経済指標は、世界経済がプラス成長を続けることを示唆しています。
  • サービス部門の継続的な力強さが成長を支えており、製造業の活動も改善し始めています。
  • 米国の貿易関税は、政策の不確実性が投資意欲を削ぎ、アニマルスピリッツ(企業家精神)を抑制するため、世界経済の成長にとって逆風となります。

インフレ見通しは不透明

  • インフレ率は目標水準を依然として上回っていますが、紆余曲折を経ながらも大幅な鈍化が見られます。
  • 関税は短期的なインフレ期待を高めましたが、持続的な影響というよりは、一時的な物価上昇を引き起こす可能性が高いでしょう。
  • サービスインフレの高止まりは、堅調な労働市場と並行して徐々に正常化に向かっています。しかし、関税への懸念がくすぶる中、コア財インフレは再び上昇基調にあります。

金融政策の方向性にばらつき

  • 米連邦準備制度理事会(FRB)が米国経済の変化を受けて金利政策を再調整する中、各国の金融政策には一層の方向性の違いが見られるようになるでしょう。
  • 他の欧米諸国の中央銀行、特に財政刺激策にもかかわらず成長が低迷しているユーロ圏では、利下げへの動きがより早まると予想されます。
  • 米国、ドイツ、中国といった主要経済国では、財政政策が資産価格に影響を与える主要な要因として注目を集めています。

ポートフォリオ構築における主要テーマ

市場参加者の期待を再調整

  • 株式のポジションや市場センチメントは大幅に悪化しました。これは、今後の展開にとっては、むしろ前向きな状況を生み出しています。
  • 家計のバランスシートや企業のファンダメンタルズは、この不確実な時期を比較的健全な状態で迎えています。
  • リスク資産の価格は調整されましたが、バリュエーションはまだ魅力的な水準とは言えません。

 株式:地域配分を見直し

  • 米国企業の利益成長は堅調に推移しているものの、不確実性の高まりを踏まえ、米国株式に対してはより中立的かつバランスの取れたスタンスを取っています。
  • 最近の米国の政策は世界の投資環境に変化をもたらしており、米国株に対して、他の地域の株式の相対的な魅力が高まっています。
  • 米国の優位性(米国例外主義)の後退と米ドル安の影響を踏まえ、中国を除く新興国市場への配分は中立とします。

債券:利回りは収束へ

  • 引き続きグローバル債券を選好します。財政刺激策がインフレと成長に与える影響を注視しつつ、ユーロ圏のデュレーションはやや長めに維持します。
  • 金融政策サイクルの深度や期間に関する市場の期待は、ここ最近で大幅に高まりました。
  • 金融環境は以前より引き締まっており、ハイイールド債などの社債にとっては、より魅力的な利回り水準となっています。

詳細は、レポート「アロケーション・ビュー:政策は織り込まれているか」をご覧ください。

リスクについて

すべての投資には、元本割れの可能性を含むリスクが伴います。

株式は価格変動の影響を受け、投資元本を割り込むことがあります。

債券には金利リスク、クレジットリスク、インフレリスク、再投資リスクがあり、投資元本を割り込むことがあります。金利が上昇すると、債券の価値は下落します。債券の信用格付けの変更、または債券の発行者、保険会社、保証人の信用格付けや財務力の変更は、債券の価値に影響を与える可能性があります。低格付けのハイイールド債は、価格の変動が大きく、流動性が低く、デフォルトの可能性が高くなります。

異なる戦略、資産クラス、投資対象間で資産を配分しても、有益でない、または望ましい結果が得られない可能性があります。ある戦略が特定の国や地域の企業に投資する限りにおいて、地理的により広範に分散された戦略よりもボラティリティが高くなる可能性があります。

コモディティ関連の投資は、コモディティ指数のボラティリティ、投資家の投機、金利、天候、税金、規制の動向などのさらなるリスクが伴います。

国際投資は、為替変動や社会的、経済的、政治的な不確実性を含む様々なリスクの対象となり、ボラティリティを高める可能性があります。これらのリスクは新興市場ではより大きくなります。

中国への投資は、他の多くの国に比べ、政府の経済への関与が依然高いため、より大きな規制リスクにさらされることになります。

上場企業への投資とは対照的に、非上場企業への投資は、企業に関する情報入手が困難、または一般的な流動性が欠如するなど、一定の課題がありリスクも増加します。

アクティブ運用は、利益の保証または市場の下落からの保護を保証するものではありません。分散投資は利益を保証するものでも、損失を防ぐものでもありません。

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