株安局面で米国地方債のリターンが改善傾向
2024年7月以降の米国の金融市場では、米大統領選挙を巡る不透明感や景気減速への懸念などから、米国株の不安定な値動きが続いています。こうした不透明な市場環境にあって、米国地方債のトータルリターンは株安局面で改善する傾向が続いています(図1)。
足元で米国株と米国地方債の分散効果が高まる
足元では米国株と米国地方債の値動きの関係に変化の兆しがみられます。コロナ禍後のインフレ局面では金融引き締めへの警戒感から、米国株と米国地方債のリターンは同じ方向に動く傾向(正の相関)が続いてきました(図2)。
しかし、2024年後半に入ると、インフレ懸念の後退から米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げが視野に入りはじめ、米国株と米国地方債が異なる値動きをする傾向(逆相関)が顕著となっています。市場の不透明感から米株安が広がる局面で、信用力の高い米国地方債への「質への逃避」買いが入り、債券価格上昇(金利低下)が進んでいることが背景にあります。
今後、株式と債券の逆相関の関係が定着することになれば、米国株との分散効果の高まりから米国地方債への見直しが進む可能性がありそうです。
利下げ局面は米国地方債の投資収益の追い風
注目された9月18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場予想を上回る0.5%の大幅利下げによる金融緩和への転換が決定されました。FOMC参加者の政策金利予想では、2026年末までに中立金利である3%近辺まで利下げが進められる見通しが示されました(図3)。
FRBの利下げ局面入りは米国地方債の投資収益にとっては追い風の市場環境になると考えられます。
過去の米国の利下げ局面での米国地方債のパフォーマンスを検証してみると、利下げ開始から24ヵ月後の米国地方債のトータルリターンは平均19.5%の上昇となる傾向がみられました。米国地方債の相対的な利回りの高さを背景にしたインカム(利息)収入に加えて、利下げ局面での緩やかな金利低下(債券価格上昇)がトータルリターンの改善に寄与する要因になりました(図4)。
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