2026年7月
スティーブン・ドーバー
チーフ・マーケット・ストラテジスト
フランクリン・テンプルトン・インスティテュート代表
ラリー・ハザウェイ
リサーチ責任者
フランクリン・テンプルトン・インスティテュート
概説
2026年の主要テーマはレジリエンス(強靭性)です。市場と経済は、地政学的ショック、政策の不確実性、インフレ圧力の高まりにもかかわらず、底堅く推移してきました。世界経済の成長率は、個人消費、企業投資、生産性の向上、堅調な企業利益に支えられ、トレンド成長率に近い水準を維持しています。
- 当社は、世界の株式市場全体で投資機会が拡大すると見ています。一方で社債市場も安定した環境が続くと予想しています。米国および新興国市場の堅調な企業利益は、地域やセクターを横断した、より幅広い投資機会を支えるでしょう。
- 金融引き締め政策により、債券利回りは高止まりし、イールドカーブはフラットな状態にとどまると見られ、インカム獲得の機会が生まれています。当社は、米国ハイイールド債、ラテンアメリカを中心とする一部の新興国債券、そして米国納税者向けの地方債を選好しています。
- 長期テーマは引き続き魅力的です。人工知能(AI)は、エネルギーやインフラへの需要を喚起し、経済全体の構造変化を促しています。防衛、国家安全保障、エネルギー・インフラへの投資拡大は、長期的なリターン獲得機会を創出しています。高齢化の進展に伴い、労働力不足を補うテクノロジー、介護付き高齢者向け住宅、ヘルスケア・イノベーションへの投資需要が高まるでしょう。
- プライベート市場およびオルタナティブでは、セカンダリー取引、プライベート・クレジット、不動産、インフラが魅力的な投資機会を提供しています。
- 投資見通しに対するリスクとしては、地政学的紛争、インフレ、中央銀行による一段と強硬な政策対応が挙げられます。これらは、2026年下半期に投資家が引き続き注視すべき重要なリスク要因です。
はじめに
年初に公表した「グローバル投資環境見通し:2026年とその先」では、「投資機会の拡大」「イールドカーブのスティープ化」「米ドルの弱含み」という3つの循環的テーマと、投資家のポートフォリオ形成に影響を及ぼす3つの長期的な潮流「インテリジェンス」「プライベート市場」「大きな政府」を軸に分析しました。2026年も折り返しを迎えた現在、当社はこの枠組みが引き続き投資環境を整理するうえで有効であると考えていますが、リスクのバランスには変化が見られます。「投資機会の拡大」は、底堅い経済成長、堅調な企業業績、地域や資産クラスを横断した投資機会の改善に支えられ、しっかりと維持されています。一方で、「イールドカーブのスティープ化」は、高インフレと金融引き締めを反映した、高金利が長期化する局面へと移行しました。ただし、利回りの上昇は、米国ハイイールド債や一部の新興国市場を含む、デュレーションの短い資産におけるインカム機会の改善ももたらしています。一方、米ドルは底堅く推移しており、当社は2026年の残りの期間において、米ドル安が進むのではなく、一定の範囲内で推移する可能性が高いと見ています。
最も重要なのは、世界が持ちこたえたことです。戦争、関税、インフレ、金融引き締め、地政学的分断にもかかわらず、世界経済と金融市場は、多くの市場関係者の予想を上回る底堅さを示しました。そのため、今回の投資環境のアップデートでは、「レジリエンス」という1つの整理概念を軸に見通しを再構成しています。すなわち、経済と市場にすでに表れているレジリエンスに加え、投資家が2026年後半に向けてポートフォリオに組み込むべきレジリエンスにも焦点を当てています。
詳細は、レポート「2026年投資環境中間見通し:世界経済は持ちこたえた」をご覧ください。
リスクについて
すべての投資には、元本割れの可能性を含むリスクが伴います。
株式は価格変動の影響を受け、投資元本を割り込むことがあります。
債券には金利リスク、クレジットリスク、インフレリスク、再投資リスクがあり、投資元本を割り込むことがあります。金利が上昇すると、債券の価値は下落します。地方債は金利変動の影響を受けやすいため、地方債ポートフォリオの利回りと価値は市場環境に応じて変動します。
低格付け債券への投資は、デフォルトおよび元本損失のリスクが高くなります。債券自体の信用格付け、または債券の発行体、保険会社、保証人の信用格付けもしくは財務健全性の変化は、債券の価値に影響を与える可能性があります。
国際投資は、為替変動や社会的、経済的、政治的な不確実性を含む特有のリスクの対象となり、ボラティリティを高める可能性があります。これらのリスクは新興国市場では一層大きくなります。
オルタナティブ戦略は、価値の大幅な変動にさらされる可能性があります。
非上場企業は一定の課題を伴い、上場企業への投資とは対照的に、こうした企業に関する利用可能な情報が不足していることや、一般的に流動性が低いことなど、追加的なリスクを伴います。
重要事項
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