要旨
米国例外主義(US exceptionalism)は2025年に向け、依然として私たちのグローバル投資における主要テーマとなっています。新たに発足したトランプ政権が打ち出す成長促進政策への期待が背景にあります。経済の強さにおける格差は、選挙結果が判明する前からすでに見られていましたが、新政権が保護主義的なレトリックを展開し、貿易相手国の犠牲のもとで米国経済を後押しするような政策を実施するにつれ、その差は一段と鮮明になると見ています。
このような状況のもと、私たちは米国株を引き続き好意的に評価していますが、米国以外の市場の見通しが不透明なため、全体のリスク許容度は抑制されており、全面的に株式に強気姿勢を取ることには慎重な立場を維持します。債券においては、米国以外でのマクロ環境の弱さを踏まえ、最近の米国債利回りの上昇にもかかわらず、米国以外の債券を引き続き選好しています。
主要なマクロテーマと当社の見解
経済成長は依然として建設的
- 主要な経済先行指標は、世界的なプラス成長を示唆しています。
- 成長の牽引役はサービス部門の継続的な強さですが、製造業は依然として伸び悩んでいます。
- 北米が顕著な強さを示す一方で、欧州やアジアがやや遅れをとるなど、グローバルの成長パターンに乖離が見られます。
インフレリスクは均衡
- インフレは上下しながらもディスインフレに向け進展を見せているものの、中央銀行の目標水準を依然上回っています。
- 労働市場は堅調ですが、高水準のサービスインフレは徐々に正常化しつつあり、コア財のインフレ率はすでに正常化しています。
- 最新のデータでは米国のインフレが強含んでいることを示しており、経済が活況を呈している局面でインフレ低下を進行させることが困難であることを物語っています。
分岐する政策対応
- 欧米の中央銀行は利下げを継続しており、特に景気が軟調な欧州でその傾向が顕著です。
- 米国経済の改善を背景にFRBの利下げペースが減速するに従い、各国間で金融政策の乖離が拡大すると予想されます。
- 米国、ドイツ、中国などの主要経済大国の財政政策が、資産価格に影響を与える重要な要因に浮上しつつあります。
ポートフォリオのポジショニング・テーマ
経済成長がリスク資産を下支え
- マクロ環境は概して建設的で、市場全般を底堅く支えています。
- グローバル企業のファンダメンタルズ(企業業績)は堅調で、マクロ環境の良好さを背景に利益が拡大しています。
- 一方で、株式の高水準なバリュエーション、信用スプレッドのタイト化、財政政策の不透明感は、グローバル成長に対するリスク要因となっています。
変容する株式市場の様相
- 米国企業の利益成長加速を受け、米国株式の見通しを引き上げました。
- マクロ経済環境の悪化により、米国株と比較すると、米国以外の国・地域の株式は、株価モメンタムが鈍化しており、相対的な魅力が低下しています。
- 中国を除く新興国については、世界的な製造業の低迷や米ドル高、さらには米国財政政策の負の影響が懸念されることから、見通しを引き下げています。
債券はより魅力的な利回り
- 利回りの上昇により、世界的に債券からのリターンの可能性が上昇したため、国債では中立のデュレーションを取り、米国外の国・地域の債券を選好しています。
- 一部の金融緩和サイクルの規模と期間に対する市場の期待は、より適切な水準に収束しました。
- 相対的に健全な財務状況がハイイールド社債に対する楽観的な見方を支えており、投資適格社債よりもハイイールド社債を選好しています。
リスクについて
すべての投資には、元本を割り込む可能性を含むリスクが伴います。
株式は価格変動の影響を受け、投資元本を割りこむことがあります。
債券には金利リスク、信用リスク、インフレリスク、再投資リスクがあり、投資元本を割り込むことがあります。金利が上昇すると、債券の価値は下落します。債券の信用格付けの変更、または債券の発行者、保険会社、保証人の信用格付けや財務力の変更は、債券の価値に影響を与える可能性があります。低格付けのハイイールド債は、価格の変動が大きく、流動性が低く、デフォルトの可能性が高くなります。
異なる戦略、資産クラス、投資対象間で資産を配分しても、有益でない、または望ましい結果が得られない可能性があります。ある戦略が特定の国や地域の企業に投資する限りにおいて、地理的により広範に分散された戦略よりもボラティリティが高くなる可能性があります。
コモディティ関連の投資は、コモディティ指数のボラティリティ、投資家の投機、金利、天候、税金、規制の動向などのさらなるリスクが伴います。
グローバル投資は、為替変動や社会的、経済的、政治的な不確実性を含む様々なリスクの対象となり、ボラティリティを高める可能性があります。これらのリスクは新興市場ではより大きくなります。
中国への投資は、他の多くの国に比べ、政府の経済への関与が依然高いため、より大きな規制リスクにさらされることになります。
上場企業への投資とは対照的に、非上場企業への投資は、企業に関する情報入手が困難、または一般的な流動性が欠如するなど、一定の課題がありリスクも増加します。
アクティブ運用は、利益の保証または市場の下落からの保護を保証するものではありません。分散投資は利益を保証するものでも、損失を防ぐものでもありません。
重要事項
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