豪州政府はコロナとの共生を目指す方針に転換
豪州では8月に入り新型コロナウイルスの感染が再び急拡大しています(図1)。特にニューサウスウェールズ(NSW)州シドニーでは、6月26日からロックダウン(都市封鎖)が継続されているにもかかわらず、感染力が強いとされるデルタ株の流行を抑えることが困難となりつつあります。
こうした中、豪州のモリソン首相は8月23日、厳格なロックダウンにより感染ゼロを目指してきた従来の方針を改め、ワクチン接種拡大によりウイルスとの共生を図る新たな方針を示しました。豪州の連邦政府と州政府は7月30日の会合で、16歳以上の人口に対するワクチン接種率が70%から80%に達した段階で、ロックダウン等の規制の緩和や国境開放を進める計画で合意しています(図2下段)。


供給制約の解消もワクチン接種率上昇を後押し
足元では豪州でのワクチン接種は加速の傾向にあり、8月26日時点では1回以上の接種比率は55.2%、2回接種の比率は32.3%に上昇しています(図2上段)。8月以降のトレンドが今後も継続すれば、豪州のワクチン接種率(2回接種)は11月頃には豪州政府が目標とする70~80%の水準に達する可能性があるとみられます。
豪州では8月30日より米ファイザー製ワクチンの若年層(16~39歳)への接種が開始されるほか、9月中旬からは米モデルナ製ワクチンの供給も開始見込みで、供給制約の解消もワクチン接種率の上昇を後押ししそうです(図3)。


ワクチン接種拡大で期待される豪州景気の回復
豪州の2021年7-9月期の実質GDPはロックダウンの影響からマイナス成長に転じる可能性が高まっています。もっとも、年末に向けてワクチン接種率の上昇が感染抑制と規制解除に繋がり始めれば、豪州経済は再び堅調な回復基調を取り戻すことが期待されます(図4)。

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